梅茶翁(ばいさおう)|世界農業遺産の里山。能登町瑞穂集落にある農家民宿。

コラム

Column

山と暮らしと

いつの頃だか、暮らしと共にいつの間にか「山」への意識が色濃くなっていた。

都内での生活では、山登り、水汲みと言った自発的に触れ合いに行くっと言う関係だったものが

今拠点となるここでは、先人が生活用水に使っていた湧水のタンクがあったり、棚田がずっと上まで連なる様に残されていて、湧水を最大限に活用していたのが見えてくる。

5年前よりその湧水を引くことを復活させて、生活の一部は全てその湧水からまかなっている。

またその水の美味しいことと言ったらもう!

湧水を引くようになってから、蛇口を捻って出てくるその水とご対面しては、思わず山に向かって

自然と一礼してしまう程、原初の感覚と感謝に溢れてくる。

忘れてはいけないと思った。

山を意識し始めたのは、ここにご縁をいただいた梅林の見守りを始めた時から少しづつ芽生え、

梅茶翁と言う拠点を構え出した頃には、セルフリノベーション、そして長年かかってようやく完成した

センターファイヤーなるメイスンリーヒーターを稼働させ始めてから特に色濃くなってきた。

薪暮らしはもちろんのこと、自然入居してくれた日本ミツバチの巣箱作りなどから

その里山の環境に対しても意識が拡大して行った事。

そんな中、薪を分けていただく事も時折ありながら、林業へのお誘いも時々いただいていたりして。

気になりながらも、梅の事、リノベーションの事、田畑の事、お店の事、、その他諸々に

ベクトルが広がりが大きく、なかなかその入り込んだお話まで一歩踏み出せなかった。

また、遠い存在にも感じていた。

けれど、先日友人が関係している「自伐型林業」のお話を聞いていた。

女性が多いのも驚きで、50歳から始めた人も居れば、高校卒業と同時に取り組んでいる若者も。

周りの木こりの友人からも勧められいて、ますます気になっていた山との関わり。

内容でとてもわかりやすく、決して遠い存在のものではないと思えた内容で、

今の暮らしに無理なく、そしてよりシンプルになる道筋にも思えた。

災害防止にもなる手立てとしても、大きな役割を担っていそうで

今後、取り組む人達が増えていくと、今崩れ始めている生態系の再生へも繋がっていく

予感がしてならない。

限られた地球トランジット。

丁寧にできる事から、より丁寧にを深めたくなった冬至の朝。

感謝

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